主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
複数選択肢から個体が繰り返し選択を行う並立強化スケジュール事態では,セッション全体の各選択肢への反応比が強化比に対応する,いわゆるマッチング法則で選好が記述できることが示されてきた。しかし,強化間時隔(IRI)に注目して分析をした場合,強化直後には強化子提示を受けた選択肢側への選好が一時的に強まった後,時間経過とともに減衰し,セッション全体の選好水準へ戻る選好パルスという現象がみられる。この微視的な現象をめぐる実験的検討は,強化説,弁別説(Davison & Baum, 2006),誘導説(Hachiga, et al., 2014),アーティファクト説(McLean, et al., 2014)を生み,関連分野を含む選択行動についての議論を活性化してきた。本講演では,選好パルスに関わるこれまでの実験的研究を総括し,各説の妥当性を吟味することで,IRI中の選好変容の要因を考察する。