日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: L-010
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小講演
戦略的観点に基づくDark Triad特性の理解
下司 忠大小塩 真司
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抄録

Dark Triad特性とはマキャベリアニズム,自己愛傾向,サイコパシー傾向の3 特性の総称であり,冷淡で利己的な特徴を中核としたパーソナリティ特性である。Dark Triad特性はPaulhus & Williams(2002)により提唱されて以降,主に短期的な配偶戦略を背景とした進化心理学的解釈が試みられてきた。しかし,実証的な知見ではDark Triad特性の個人差と生涯の出生人数の個人差との関連は必ずしも高いものではなく,短期的な配偶戦略を背景とした進化心理学的理論ではDark Triad特性を十分に説明できない可能性がある。そこで本発表では,Dark Triad特性を冷淡で利己的な特徴を巧みに隠して自己利益を実現するような戦略的な特性であると捉え,戦略的な観点からの理解を試みる。本発表では他者操作方略,対人葛藤方略,外顕性・関係性攻撃,コーピングスタイルなどとの関連を検討した結果を報告し,Dark Triad特性における自己利益を実現するための戦略性を議論したい。

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