日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: L-011
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小講演
青年期におけるnostalgia体験自己への影響に着目して
長峯 聖人外山 美樹
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抄録

Nostalgiaは,代表的な混合感情の1つとして近年様々な検討が行われている。その理由の1つは,nostalgiaが幅広く心理的適応へ寄与するからである。nostalgiaは多くの年代で経験されるものであり,高齢者において特に経験されやすいものとして認識されているが,青年期の個人においても頻繁に経験されることが分かっている。これは,nostalgiaが青年期における自己形成に関わるからであると考えられる。しかし,nostalgiaが青年期における自己形成へどのように影響するかについて,実際に検討を行った研究は少ない。そこで本講演では,nostalgiaが持つ影響の中でも特に「自己」への影響に焦点を当て,先行研究のレビューを行うと共に,著者が行った研究を紹介していく。「自己」に関する具体的な指標として本講演では,「自尊感情」,「本来性」,「自己連続性」,「アイデンティティ形成」に着目する。本講演で扱う内容は,1つの感情としてのnostalgiaの機能の詳細を明らかにするものとともに,青年期におけるnostalgia体験の重要性を提言するものであるともいえるだろう。

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