日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PA-001
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1.原理・方法
Kestenberg Movement Profileの自動化と心理学的分野への応用に関する一考察
*平林 義彦﨑山 ゆかり川中 普晴
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抄録

Kestenberg Movement Profile(KMP)は,Laban Movement Analysisを基盤にアンナ・フロイトによる児童精神分析の理論等を加えて発展させた運動分析技法である。KMPでは,日常動作のような自然な動きからその特徴の記譜を元に図を作成し,そのパターンを分析することで被験者の行動を評価する。そのため,身体の動きを心理療法的に用いるダンス・ムーブメントセラピーの分野では,言語能力が限られている乳幼児を対象とした発達支援のための技法として,欧米諸国を中心に用いられてきた。しかしながら,記譜に基づく図の作成は全手作業のため,豊富な経験と知識,さらには多大な時間と労力が必要となる。その結果,日本国内ではKMPの普及は進んでおらず,心理学系の研究者にもKMPが認知されてないのが現状である。一方,先行研究では成人の心理的現象の評価にも有用であることが報告されており,乳幼児の発達支援のみならず他の分野にも展開できる可能性は高い。本発表では,KMPについて概説するとともに,筆者らが開発している自動分析のためのシステムについて簡単に紹介し応用の可能性について考察する。

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