主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
痛みや眠気の測定法としてVisual Analogue Scale(VAS)がある。VASは,紙での実施が一般的で,手軽にオンライン質問紙が作成できるGoogleフォームに追加できるものは見当たらない。筆者らは,Googleフォームに埋め込み可能な「動画」を応用したVAS(O-VAS)を制作し,男女21名に,1日のうちの4時点で,ラジオボタン(11件法)や数値入力(101件法),紙媒体のVASと併用して主観的眠気を評価してもらい,比較した。その結果,1試行目をのぞき,O-VASはラジオボタン,数値入力,紙のVASとおおむね0.9以上の高い相関を示し,特に数値入力との間で最も安定して高い相関が示された(rs>.94)。一方で,従来の紙のVASはラジオボタンとの間で最も安定して高い相関が示された(rs>.98)。また,O-VASはラジオボタンと数値入力よりも有意に回答しにくいことが示された(ps<.05)。O-VASは数値化しにくい構成概念を評定する際の代替法として用いることができる可能性が示唆された一方で,回答のしやすさの面で課題が残された。