日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PA-004
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1.原理・方法
exkumaによる経験サンプリング法LINEアプリを通じたシグナリングとその効果検証
*尾崎 由佳
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抄録

経験サンプリング法(ESM)とは,一日数回×数日間にわたって繰り返し自己報告を求めるという調査手法である。スマートフォンの普及にともないESMの実施が容易になったことから,近年,大きな注目を集めている。exkumaは,ESMのために開発されたソフトウェアである。通信アプリLINEを通じたシグナリング(回答タイミングの通知)と,Webブラウザで回答データ収集を行うという特徴を持つ。本研究では,exkumaを用いてESM調査を実施し,シグナリングの効果検証を行った。調査1には大学生306名が参加した。4回×5日間にわたるシグナリングに対して,有効回答は81 %と高い回答率が得られた。調査2には国内の20歳~69歳の成人145名が参加し,4回×7日間のシグナリングに対して90 %の有効回答が得られた。また,調査1・2に共通して,調査時間帯(9時~21時)内にシグナル送信時刻が均等に分布しており,従来の疑似ランダムによる方法よりも適切に無作為化されたシグナリングが行われていることを確認できた。これらの結果はいずれも,exkumaによるシグナリングの有効性を示唆している。

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