主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究では日本人を対象に,居住地域の影響を考慮した,レジリエンスと運動習慣(1回30分以上の運動を週2回以上実施,1年以上継続;厚生労働省,2013, 2018)の関係を検討することを目的とした。分析データは,株式会社NTTデータ経営研究所より実施された「人間情報データベースFY18-02」であり,分析対象者は日本人13,072名(男性6,976 名,女性 6,096名;平均年齢49.28 歳,SD=14.14,15-90歳)であった。居住地域の集団レベルの運動習慣の変数を投入したランダム切片・傾きモデルは,他のモデルと比較して,AICとDevianceともに値が小さく,モデルの適合も最も良好であった。具体的には,社会人口統計学的要因や生活習慣,病歴を統制しても,個人レベルの運動習慣がレジリエンスに正の関連が示され,居住地域レベルの運動習慣がレジリエンスに対しても関連が確認された。すなわち,運動習慣が高い日本人ほどレジリエンス得点が高いのに加え,運動習慣が高い地域に所属する日本人ほどレジリエンス得点が高い傾向にあることが明らかとなった。