主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
プライバシーに関する関心の高まりを反映し,自他のプライバシーへの意識(プライバシー意識)が着目されている。プライバシー意識には年齢差があることが示唆されている。Tabata, Sato, & Ninomiya(2021)は,大学生と高齢者に,プライバシー意識尺度(太幡・佐藤,2014)に回答するように求めた。そして,高齢者は大学生に比べ,「他者のプライバシー意識」が低く,「他者のプライバシー維持行動」が高いこと,「自己のプライバシー意識/維持行動」には差はみられないことを報告した。本研究では,幅広い年齢を対象に,プライバシー意識に対する年齢の影響を検討した。調査会社のモニターを対象としたウェブ調査により,17歳から69歳の日本人男女1870名を対象に,プライバシー意識尺度(太幡・佐藤,2014)に回答するように求めた。年齢を説明変数,プライバシー意識尺度の下位尺度を目的変数とする回帰分析の結果,Tabata et al.(2021)と整合する結果が得られた。すなわち,年齢が高いほど,「他者のプライバシー意識」が低く,「他者のプライバシー維持行動」が高かった。