主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
これまで特性的楽観性については,主に大学生を対象に,1因子構造と2因子構造の両方が想定・報告されてきた。そこで本研究では,成人を対象とする公募型Web調査を実施し,改訂版楽観性尺度(LOT-R)の日本語版(坂本・田中,2002)の因子構造について検討した。公募型Web調査(割当法)は一都三県在住の登録モニターを対象に,2021年2月に実施された。有効回答者は520人,最終的な分析対象者は485人であった(男性240人,女性245人;平均年齢45.95歳,SD=13.62)。日本語版LOT-Rの6項目(α=.65)について探索的因子分析(EFA:最尤法,プロマックス回転)を行ったところ,2因子解が得られたが,共通性が著しく低い項目が認められた。そこで,その項目を除外して同様のEFAを行ったところ,明瞭な1因子解と α 係数値の向上が認められた(α=.73)。こうした結果は,日本語版LOT-Rについては,項目文の修正によって安定した1因子構造が得られる可能性があることを示唆している。