日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PB-008
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2.人格
公募型Web調査における日本語版LOT-Rの妥当性(2)外部尺度との関連性による構成概念妥当性の検討
*榊原 圭子山田 一成
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キーワード: 楽観性, Web調査, 妥当性
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抄録

本研究では,改訂版楽観性尺度(LOT-R)の日本語版(坂本・田中 2002)について,確証的因子分析による因子構造の確認および外部尺度との関連性による構成概念妥当性を検討した。確証的因子分析では,日本語版LOT-Rの6項目について,1因子モデルと2因子モデルでの検証を行ったところ,両モデルでパス係数が著しく低い項目が確認された。そのため当該項目を除いた5項目で同様の分析を行った結果,1因子モデルと比較して2因子モデルで,より良好な適合度を得た。しかし,2因子間での相関係数は.72と高く,それぞれが独自因子であるかの判別は困難であった。次にLOT-Rの楽観性尺度および悲観性尺度と人生満足感尺度,パーソナリティ特性,後悔尺度(後悔・追求者尺度)との相関係数を算出した。その結果,楽観性尺度および悲観性尺度と各外部尺度との相関にはほぼ同様の傾向が見られた。これらから,少なくともLOT-Rについては,悲観性および楽観性の2因子は異なる概念を測定するものではなく,LOT-Rが1因子構造である可能性が推察された。

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