日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PB-014
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2.人格
年代間と男女間における非緩和共同性得点の差の検討
*萩原 千晶下司 忠大小塩 真司
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抄録

本研究の目的は,自己を蔑ろにして他者を重要視するパーソナリティ特性である,非緩和共同性の年代差と男女差を検討することであった。分析対象者は39,888名(男性18,080名,女性21,808名;15~19歳1,571名,20~29歳5,449名,30~39歳6,925名,40~49歳8,762名,50~59歳7,664名,60歳~9,517名)であった。分析対象とした尺度は,日本語版改訂非緩和共同性尺度(Revised Unmitigated Communion Scaleを邦訳した尺度)であった。年代と性別を独立変数,個人年収と学歴,婚姻状況を共変量とした共分散分析を行った。まず,どの年代においても女性の方が男性より非緩和共同性の得点が有意に高かった。また,年代と性別の有意な交互作用効果がみられた。非緩和共同性は男女ともに若い年代において高く,緩やかに低下し,女性においては再度高齢の年代において高い得点が示された。女性の得点の高さは,非緩和共同性の特徴が反映されたと考えられた。また,若い世代の得点の高さは社会的要因,高齢女性の得点の上昇は社会的要因と進化的要因が考えられた。

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