日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PB-018
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2.人格
「擬態語性格尺度」は何をはかっているか(4)「几帳面さ」尺度に関する事例的検討
*西岡 美和小松 孝至向山 泰代酒井 恵子
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抄録

日常場面の具体的な行動から擬態語により他者の性格が把握される過程について,大学生(女子)に対する面接調査を行い,擬態語性格尺度(小松・酒井・西岡・向山,2012)の下位尺度別に分析してきた(日心81回・82回大会発表)。本発表では,「几帳面さ」の下位尺度に関する分析結果について報告する。擬態語性格尺度への自己評定と親しい友人についての友人評定とを求める質問紙調査に参加し,面接調査に協力した大学生(女子)33名に,友人評定で「あてはまる」と評定した擬態語について,その友人の特徴を表す具体的エピソードや,その特徴についての協力者の考えなどを尋ねた。そのうち,「几帳面さ」に含まれる擬態語(きちんとする・ちゃんとした・しっかり・きっちり・しゃきっとした,(反転項目)がさつ・ちゃらんぽらん)について尋ねた16名の回答を分類整理した。その結果,①基準に沿った行為と目標達成(基準を達成しようとする志向性),②表出されない思考の深さ(深く思考を巡らし,準備する傾向),③語り手自身との対比に基づく評価(自分にはない好ましい性格としての評価とともに違和感の表明もある)3点にまとめることができた。

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