主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
【目的】幼児のいる家庭において,童話昔話の絵本の所有率が激減しているが,WEB上の動画コンテンツが充実し,幼児が童話昔話にふれる機会に変化がみられる(徳田ら,2021)。そこで幼児のももたろうの知識は,何に影響を受けているのかを明らかにする。【方法】回答者:幼児の保護者642名。手続き:無記名による自記式質問紙を用いた。ももたろうの知識を問う項目は3項目であり,回答者が子どもに質問し,子どもが答えた通りに記入した。正解の合計点(1項目1点)を従属変数,絵本の読み聞かせの有無,動画視聴の有無等を独立変数としてステップワイズ法による重回帰分析を行った。調査期間は2020年9~10月。【結果】R2=0.24**であり,「子どもの年齢」(β=0.34**),「ももたろうの絵本の読み聞かせの有無」(β=0.25**),「絵本(ももたろうに限らず)を子どもが読む頻度」(β=0.16**)であった。幼児の誤答を見ると,視覚的,聴覚的な情報は覚えていたが,正確な言葉を覚えていないケース(例えばももたろうと鬼退治に行った動物の答として「カラフルなとり」「ケーンと鳴くとり」と答えるなど)が散見された。