主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究の目的は,内集団の存在を脅かす外集団脅威を知覚することにより,自身への見返りを期待しない内集団ひいきが生起するか否か検討することである。そのため,まず2つの予備調査を通じて,外集団脅威の強さで集団を分類した。調査1(N=54)では自由記述にて積極的な関与のある集団名を収集し,各集団への外集団脅威の知覚(15項目)を測定し,合計値を算出した(最大値75)。その結果,外集団脅威の強い集団に国籍集団(M=45.75, SD=7.09),音楽ファン(M=35.60, SD=10.09),部活・サークル(M=34.10, SD=13.46),弱い集団に大学(M=25.80, SD=13.46)が選出された。調査2(N=106)では選出集団の同一視,相互依存性,外集団脅威を測定した結果,国籍集団(M=40.05, SD=13.46)の外集団脅威が最も高くなった(音楽ファン:M=30.28, SD=13.69,部活・サークル:M=32.80, SD=14.89,大学:M=29.35, SD=12.39)。今後の研究では,どの程度の外集団脅威の強さで見返りを期待しない内集団ひいきが生起するか,境界値を検討する。