日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-040
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4.臨床・障害
課題変更によって生じたストレス反応への短時間のマインドフルネス瞑想の実験的効果
*井上 美沙瀧川 莉央有光 興記
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抄録

本研究の目的は,心理社会的ストレス課題(Trier Social Stress Test:TSST)を実施することに加え,唐突な課題変更を行うことで生じる否定的感情が,短時間のマインドフルネス瞑想により軽減されるかどうかを検討することであった。実験条件は,準備期の後に音声期において美術史を視聴する視聴条件と音声ガイダンスに従って3分間呼吸空間法を行うマインドフルネス瞑想条件を設定した。実験参加者は,大学生60名であった。実験課題として計算課題またはスピーチ課題を設け,いずれかを最初に準備してもらってから途中でもう一方の課題に変更した。安静期,準備期,課題実施期,回復期で状態不安の回答と生理指標の測定を行い,実験条件によって各指標に違いが生じるのか検討した。分析の結果,心拍数はマインドフルネス瞑想が課題変更後のストレスを低減させたが,心拍変動率に関して予測は支持されなかった。また,状態不安に関しては,先行研究と同様にマインドフルネス瞑想条件の方が低くなった。総じて,マインドフルネス瞑想には,課題変更のストレスに対しても低減効果があるという仮説が支持された。

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