日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-042
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4.臨床・障害
ヘルプマークの有効な活用における課題Ⅰマークの利用に関する当事者のブログの分析
*西館 有沙水野 智美徳田 克己
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キーワード: ヘルプマーク, 利用者, 認識
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抄録

ヘルプマークは疾患や障害があることがわかりにくい人が周囲から援助を受けられるように作られた。本研究では,マークの利用に関する当事者の認識を明らかにするために当事者のブログ分析を行った。ヘルプマーク,ブログの2語によるWeb検索で選出されたブログ記事のうち,病気や障害のある当事者やその家族が書いたものを対象とした。その結果,75件(72名分)が分析対象となった。ブロガーの主な状態は,身体の疾患・障害が43名,精神の疾患・障害が17名,妊娠が4名,子どもの障害が5名,不明3名であった。身体の疾患・障害者のマークの利用理由は「優先席等を安心して利用できる」が多く,その他に「緊急時の対処の仕方や連絡先を伝えられる」「ゆっくりしか移動できない状態に気づいてもらう」が挙げられた。ただし,席を譲ってもらうことについては期待できないと感じる者や抵抗のある者がおり,優先席に安心して座っていられるためにマークを付けていることがうかがえた。精神の疾患・障害者では体調が悪い時に「優先席等を安心して利用できる」ことを望む者がいた一方で,「マークが精神的な安定材料になる」「とりあえず所持する」という者がいた。

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