主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究では内受容感覚と自己意識との関連性について検討した。内受容感覚は抑うつ,摂食障害などの感情関連の臨床群と関連がある(Murphy, Catmur, & Bird, 2018)ことから,養育者からの負情動・身体感覚否定経験(以下,否定経験)が感情制御の発達不全を生じるというモデル(福泉・大河原,2013)を参考に,否定経験からの影響も検討した。対象者は18~29歳までの男女300名(女性209名,男性91名)で,①MAIA-J(内受容感覚に関する尺度)の「身体への気づき」「注意制御」「感情への気づき」,②改訂版自己意識尺度(金子,2017;私的自己意識,公私的自己意識,外見への意識,行動スタイルへの意識),③負情動・身体感覚否定経験認識質問紙(大河原・猪飼・福泉,2013)からなる質問紙調査を行った。自己意識を目的変数,内受容感覚,否定経験,内受容感覚と否定経験の交互作用を説明変数として階層的重回帰分析を行った結果,男女ともに「私的自己意識」「公私的自己意識」において,内受容感覚(身体への気づき,注意制御・感情への気づき)や内受容感覚と否定経験の交互作用からの関連が有意に認められた。