日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-076
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4.臨床・障害
意識的・非意識的催眠態度が主観的・客観的催眠感受性に及ぼす影響
*中谷 智美福井 義一大浦 真一今井田 貴裕
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抄録

意識的催眠態度は,催眠感受性と無相関であるのに対して,非意識的催眠態度は正の相関を示すが,前者が肯定的でも後者は否定的な者が多いことから,意識的・非意識的催眠態度の組み合わせで催眠感受性が異なる可能性があると思われる。そこで,本研究では意識的・非意識的催眠態度が催眠感受性に及ぼす交互作用効果を検討した。大学生・大学院生27名を対象に,質問紙調査により意識的催眠態度を,催眠シングル・ターゲット潜在連合テストにより非意識的催眠態度を,ハーバード集団催眠感受性テスト形式Aにより主観的・客観的催眠感受性をそれぞれ測定した。使用データには,一連の研究と一部重複がある。分析の結果,意識的催眠態度の客観的催眠感受性に対する主効果が有意傾向であったが,意識的・非意識的催眠態度の主観的・客観的催眠感受性に対する交互作用も有意傾向であったため,単純傾斜の検定を行ったところ,いずれの催眠態度も肯定的な場合にいずれの催眠感受性も高いことが分かった。以上から,主観的・客観的催眠感受性は意識的・非意識的催眠態度の組み合わせにより異なることが分かった。

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