日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-111
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4.臨床・障害
成人女性における体型による自己認知の比較検討テキストデータの分析
*川人 潤子岡久 玲子
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抄録

問題:本研究は,テキストデータから,体型による成人女性の自己認知の違いを比較検討する。方法:282名の成人女性(平均年齢52.97歳)を対象に調査した。調査項目は,年齢,身長,体重,自己認知を測定する特性語分類課題であった。結果:やせ(BMI≤18.5)32名,標準体型(18.5≤BMI<25.0)199名,肥満(25.0≤BMI)51名に分類し,特性語分類課題の記述を比較した。“協力的な”は,やせ43.7 %,標準64.8 %,肥満58.8 %であり,“陽気な”は,やせ43.7 %,標準58.2 %,肥満56.8 %と,標準と肥満で多い。一方で“心配性の”は,やせ50.0 %,標準40.2 %,肥満50.9 %とやせや肥満に多い。また,“社交的な”は,やせ25.0 %,標準37.1 %,肥満50.9 %と肥満に多かった。考察:Blaine & Johnson(2005)と同様,肥満の者は社交的な自己認知が認められたが,やせと肥満で心配性の自己認知が高かった。アジア人には極端なBMI値の者は少ないが,今後ネガティブな自己認知と食行動との関連の精査が必要であろう。

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