日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: SS-008
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公募シンポジウム
複数の指標を同時に測定することの意義・現状・課題
黒澤 泰瀧本 彩加前田 駿太國見 充展井上 和哉
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抄録

心理学は目に見えない構成概念の測定を試みる学問である。近年,測定手法の進歩や学際研究の促進により,人間や他の動物の心理を研究する際に複数の指標(心理指標・行動指標・生理指標)を同時に測定する必要性が実感され,その実現可能性も高まっている。例えば,ウェブ調査においては,回答されたデータだけではなく,回答完了時間(反応時間)という異なるタイプの指標を収集することができる。このように異なる指標を同時に測定することには,心を知る上でのメリットがあるのと同時に,片方の指標が示すものをもう片方の指標が示さない/片方の指標と正反対の結果を別の指標を示しているなど研究者が困惑する事態や頭を抱える事態が起こってしまう場合もある。本シンポジウム では,瀧本氏(比較認知科学・動物心理学),前田氏(臨床心理学),國見氏(実験心理学・認知神経科学)を招き,1. 各分野における研究対象の心理の一般的な測定方法,2.複数の指標を同時に測定することの意義,3.複数の指標を同時に測定する際に経験した課題や起こった問題 を共通テーマとして設定し,各話題提供と井上氏(実験心理学)の指定討論の下,フロアとの活発な議論を行いたい。

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