日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: SS-017
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公募シンポジウム
宗教の認知科学とその文化普遍性・文化特異性日本の視座から基盤理論を問い直す
石井 辰典中分 遥柳澤 田実五十里 翔吾藤井 修平山中 由里子
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抄録

宗教は,人類史において私たちと切り離せないものであったと言える。宗教に関する学問は様々あるが,近年西洋圏で急速に発展してきたのが宗教認知科学,すなわち認知科学・進化科学の観点から,なぜ宗教が人間社会に普遍的に見られるのか,また世代を超えて受け継がれるのかを解明しようとする学際的分野である。ただその理論・仮説の文化普遍性は必ずしも検証が十分とは言えない。主に一神教世界の研究者たちが構築してきた理論を,非一神教世界の理解のために無批判に適用してよいのだろうか? そこには一神教的な自然観を前提とした文化的バイアスがかかっていないだろうか? これを問うために本シンポジウムでは,まず日本で宗教認知科学研究を進めてきた研究者に自身の研究を紹介してもらい知見を蓄積する。そして指定討論者には「超常認識」や「想像界の生きもの」の比較文化プロジェクトに携わり「人はなぜモンスターを想像するのか」について多くの論考をお持ちの山中由里子(専門:比較文学比較文化)を迎え,コメントをいただく。この異分野間の対話を通じて,宗教認知科学で問われる宗教的概念・信念の文化的相違点について議論を深めたい。

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