主催: 日本心理学会第86回大会実行委員会
会議名: 日本心理学会第86回大会
回次: 86
開催地: 日本大学文理学部+Web(ハイブリッド開催)
開催日: 2022/09/08 - 2022/09/11
「隠す」という欺瞞的行為は社会生活に深く根差しており,「隠す」心理を研究するためには知覚,記憶,社会,発達,臨床など領域横断的な議論が必要となる。本シンポジウムでは,「隠す」心理に関連するさまざまな分野の研究の話題提供を行い,嘘や欺瞞に関する議論を深めてきた。本年度は,「隠す」心理に基づいて他者から利益を搾取する行為として詐欺に着目し,詐欺を行う側,詐欺を受ける側の両者に着目した研究を紹介する。最初に,詐欺を行う側について,欺瞞研究の視点から詐欺の手口をまとめる(太幡・佐藤)。続いて,詐欺を受ける側について,詐欺を受けた後の行動を踏まえた詐欺被害対策に関する研究として,家族や地域コミュニティの単位で詐欺を看破するメカニズムとその可能性(讃井),高齢者の詐欺被害防止活動(上野)に関する研究を紹介する。最後に,総合的な討論において,詐欺に関する心理に関する今後の研究の展望について議論する。