抄録
本発表は、前年の発表に続き、パチャママ信仰におけるパチャママがいかに捉えられているのか、そして大地信仰そのものとの関係を、その変遷と現状について考察することを目的とする。
前回発表では、パチャママそのものとパチャママが置かれている状況について、歴史的、民族学的、社会・政治的視点から分析した。パチャママは個別/局地的で具体的であり、かつ普遍的であるという二つの側面を同時に有しており、現代世界において、その普遍性がいかんなく発揮/利用されている。そこでのパチャママは、大地と同義であり、かつ自然環境全体へと昇華された存在となっている。その意味において、アンデス地域という地理的枠組みや民間信仰という宗教的枠組み、そして先住民文化という文化的枠組みを超えて普遍的存在として扱われている。
このようなパチャママの扱われ方において、パチャママと地球規模の大地がつながってきた経緯はいかなるものか、そもそもアンデス域内における地域的なバリエーションがあるのか/あったのか。これらアンデスにおける大地信仰のミクロな経緯を分析することで、現在のパチャママ信仰の隆盛がより考察できると考える。
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