抄録
1. はじめに
本発表の目的は、これまでアンデス地域全般の信仰として普遍的に描かれてきた大地信仰が、互酬制の視点と地方都市クスコにおける現代的な文脈から分析されることで、複層的な状況にあることを明確にすることである。
これまでの分析により、大地信仰において最重要神格であり、大地と同義として認識されているパチャママは、それぞれの人の立場(個人的だけでなく周辺の環境も含む)によって異なる認識をされていることがわかってきた。
さまざまな立場からの複数の認識の仕方はあるが、人々とパチャママ(大地)の関係として共通している点は、人々は供物を捧げて請願する、そしてそれに対して何かしらの利益をパチャママから受け取っていると考える点である。ここにおいて、パチャママと様々な立場にある人々の関係それぞれを、アンデスに広くみられる互酬の視点から分析する。
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