抄録
【はじめに】我々はイタリアのMeyer小児病院と交流し、NICUにおけるdevelopmental careを実施している。Meyer小児病院では、NICU入院中の未熟児・新生児(ハイリスク児)に対し、Milani Comparetti、Brazelton、およびPrechtlの概念を統合した新生児神経行動発達評価「Neurodevelopmental Assessment」を用いたdevelopmental careを実施してしいる。本報では、「Neurodevelopmental Assessment」に基づいたdevelopmental care について紹介する。
【Neurodevelopmental Assessment】評価は「Neurodevelopmental Assessment」、「Behavioral Observation」、「Developmental Intervention Program」の3つから構成され、自律神経系、運動系、状態系、相互作用系の4つの神経行動系と自己制御機能(self regulatory)の枠組みから新生児・乳児を評価する。自律神経系は呼吸・循環器系・運動系の安定性、運動系は自発運動と機能的な運動能力(姿勢調整や正中位指向など)、状態系と相互作用系は状態の調整能力と外界との相互作用能力である。この他、睡眠、哺乳・摂食、気質、生活環境の適切性の補足評価が含まれる。これらは3つの尺度(正常normal・改善が必要needs to improve-incomplete・異常pathological-absent)で評価される。評価手技は、Brazeltonの新生児行動評価とMilaniの運動行動評価、Prechtlの自発運動観察法に基づく。
【Behavioral Observation】評価結果は、「Behavioral Observation」としてまとめ、前述した4つの行動系と自己制御機能のそれぞれについて、どのような「安定・組織化」と「不安定・非組織化」の神経行動徴候がみられたかをチェックシートに記述する。
【Developmental Intervention Program「Behavioral Observation」の結果から、「Developmental Intervention Program」を考案する。「Behavioral Observation」の「安定・組織化」は児のStrengths(長所・強み)として、また「不安定・非組織化」は改善すべき点として、Goalsを設定し介入プログラムが立案される。プログラムには、いくつかの具体的な方略が示されている。
【終わりに】本法は、新生児期・乳児期の神経行動発達評価を、発達的介入に役立てるうえで有益であると思われる。発表では、症例を加え、具体的に報告する。