抄録
1999 年8 月25 日発行の本誌,第9巻第1号から始まった,得津一郎(神戸大学教授・現甲南大学教授)・藤川清史(甲南大学教授)による「産業連関分析入門」シリーズは,2001年12月28日発行の第10巻第2号で6回の連載を終えました.「入門」執筆のねらいは,実際の企業経営や行政の場で,産業連関分析を応用してみてはどうかというアイデアを持っている読者が,自分自身で産業連関表を用いて分析ができるように手助けすることでした.そのために,理論編では経済現象を,どのような仮定のもとで,どのような観点から見ようとする経済分析の手法なのかを明快に説明し,数量分析編では,身近なソフトである表計算ソフトの利用方法やプログラミングを解説し,実際の産業連関表データを自分の分析目的に応じて利用できるように工夫されていました.「入門」シリーズの完了を受けて,この号より「応用産業連関分析講座」シリーズを編纂することになりました.執筆のねらいは,このビジネスジャーナルに発表されている研究をはじめとして産業連関分析を応用した多くの研究業績の中から,現代経済が抱えている問題に適用可能な分析手法の理論と方法を紹介し,実際の企業経営や行政の場で身近に使っていただけるようにすることです.