抄録
ガラスの強度は表層付近に存在するマイクロクラックにより支配され、このクラックの発生や進展を抑制することができれば、ガラスを高強度化できると言われている。そこで、フェムト秒超短パルスレーザーをガラス内部に集光照射し、クラックの発生や進展を抑制できるような異質相(母材と物性の異なる相)の形成を試みた。これらのガラスの強度測定を行なった結果、未照射のガラスに比較して40%以上の強度向上が確認された。この強度向上にガラス内部に形成した異質相がどのように影響しているか、また、異質相の形状や物性などの形成条件と強度の関係を調べた。