抄録
我々は、各種希土類イオンを添加したビスマスホウ酸塩ガラスに熱処理を施すことにより二次光非線形性を示す新しい結晶相が生成することを見出している。本研究は、Gd2O3-Bi2O3-B2O3系ガラスに着目し、ガラス組成および熱処理条件による析出結晶とSH強度との関係を明らかにすることを目的とした。10Gd203-30Bi203-60B203系ガラスを熱処理することにより透明な表面結晶化ガラスを得た。偏光顕微鏡観察の結果、形状の異なる2種類(板状と針状)の結晶の生成が確認された。通常の結晶化ガラスと異なり、レーザー入射角度0°付近で最大のSH強度が確認されている。このことは、結晶の分極方向が結晶化ガラス表面に対して平行であることを示している。