抄録
KNbO3はPZT系セラミックスに代わる鉛フリー圧電材料として注目されている。本研究では、LPE法によりSrTiO3(100)単結晶基板上にKNbO3薄膜の合成を試み、合成膜の表面モルフォロジーの評価を行った。膜の表面モルフォロジーは膜成長温度に強く依存した。最適な合成条件の下で、融液中のK/Nb比を52.5/47.5とした融液から合成した膜の表面は、基板溶解による多数の欠陥が見られた。そこでK/Nb比を65.0/35.0とした結果、より低温での合成が可能となり、無色透明の比較的平坦なKNbO3(001)単結晶薄膜の合成に成功した。さらに、基板と膜の結晶学的関係を検討した。