抄録
本研究では固定化せずにスラリー中の巨視的な粒子凝集構造を可視化する方法を検討した。スラリーを二枚のガラス基板で挟んだ後、光学顕微鏡にて透光観察を行った。スラリー構造はその厚さを100μm程度にすることで可視化できた。凝集系のアルミナスラリーの透光像には暗い領域が見えるが、これは粒子の強い凝集により透過率が低くなった領域であった。この凝集構造は大きさにして数ミクロンから数十ミクロンであり、互いにつながってネットワーク構造を形成している部分もあった。スラリー調製条件やレオロジー特性を解析する上で、この観察像は大変有益な情報である。