抄録
アルミナセメントの構成成分の一つである12CaO·7Al2O3化合物(C12A7)中に、1020cm-3以上の高濃度のO-が生成させることに成功した。C12A7中のO-生成と、それを外部に取り出して利用するための方策についての検討した。C12A7セラミックスを乾燥酸素中1350℃で焼結した後200℃/hで徐冷することによって、ケージ中の6×1020cm-3(O2-:4×1020cm-3, O-:2×1020cm-3)の活性酸素を包接させることができた。ケージ中に生成される活性酸素の量は雰囲気に大きく依存し、酸素分圧を高めるほど、また水蒸気分圧を低くするほど大きくなった。活性酸素を包接させたC12A7セラミックスの片面に電極を付加して、真空槽中にセットした。C12A7を最大で800℃まで加熱しながら、試料から10mm程度離した対向電極との間に1kV程度の電圧を付加した。この結果、C12A7から真空中にほぼ純粋なO-放出が認められ、電流値は最大でμA·cm-2となった。ケージ中のO-が直接電場によって引き出されたものと考えられる。このような高密度のO-ビームは、半導体製造などへの応用では実用レベルである。