日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第15回秋季シンポジウム
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高分解能放射光粉末回折測定用加熱装置の開発
八島 正知田中 雅彦森 瑞樹酒井 篤士石村 大樹大内 健二郎今村 善一森 丈晴
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p. 236

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抄録
高温でセラミックス材料の結晶構造や電子密度分布をその場観察することは基礎科学および産業応用の観点から極めて重要である。放射光粉末回折の実験技術と解析法が近年発展してきたが、測定可能な温度が700℃程度以下に限られることが問題であった。我々は1600℃まで高分解能粉末回折測定可能な加熱装置の開発に成功した。KEK/PF/BL-3Aに設置できる新しい電気炉を開発した。単色化した0.99954ÅのX線(平行光学系)を用いた。アナライザー結晶により角度分解能を向上させた。実験の結果、この炉は1)空気中において1600℃までの高温測定が可能、2)回折強度を正確に測定可能、3)温度の安定性は0.1℃以下などの優れた特徴を有することがわかった。通常の装置では不可能であった、CaTiO3の高温中間相のピークの分裂を、世界で初めて捉えることができた。高温中間相の対称性が正方晶系、I4/mcmである、より強い証拠が得られた。また文献で報告されているCmcm中間相の存在を否定した。1300℃に加熱保持して測定した放射光粉末回折データのMEM/Rietveld解析により電子密度分布を得た。斜方相に比べて正方相では電子が等方的に分布していること、Ti-Oの共有結合性が減少してより結合がイオン的になることがわかった。以上のように室温∼1600℃という広い高温領域での結晶構造と電子密度分布をその場で研究することができた。本法は様々なセラミックス材料を高温で調べる有効な手法であると考えられる。
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©  日本セラミックス協会 2002
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