抄録
本研究ではホモロガス化合物(A3Co2O6)m(A’3Co3O9)n[A, A’:Ca, Sr, Ba]の一つであるSr6Co5O15(m=3, n=3)の多結晶体をSrCO3、Co3O4粉末を原料として固相反応により大気中1128Kで合成しその電気抵抗率、ゼーベック係数及び出力因子を評価した。Sr6Co5O15の電気抵抗率は300-1120Kの範囲において半導体的な挙動を示し、値は5∼9×10-2Ωcmの範囲で変化した。ゼーベック係数は正の値を示し、110∼150 μV/Kの範囲で変化した。350-1120Kにおける出力因子の最高値は0.020×10-3W/(m·K2)[1100K]で、Ca3Co2O6(0.012×10-3W/(m·K2))に比べ大きな値を示した。