抄録
II-VI族の半導体超微粒子は、溶液法によって明るく光るものが作製できるようになった。これらは、量子サイズ効果により紫外線の照射により異なった発光色を示す。とても明るい発光なので様々な応用が考えられるが、溶液中では不安定で工学材料としても不向きである。そこで、これらをガラス中に安定に閉じ込め、新しいタイプの蛍光体を作製することを目指した。今回は、シランカップリング剤(X-Si-(OR)3、Xは有機官能基)を用いた。ガラス中にドープした場合、超微粒子の凝集によって、発光波長が長波長側にシフトしたり、発光スペクトル幅が広がることが多いが、この場合にはそのような現象が見られず、うまく分散していることがわかる。これは、界面活性剤とMPSがともにチオールを持っており、凝集を防ぐ効果があるためと考えられる。