抄録
ラムスデライト型トンネル構造をもつ化合物は骨格が3次元であり、リチウム電池の電極活物質としてはリチウムイオンの挿入脱離を繰り返すことが可能である。我々は親化合物のLi2Ti3O7より高電圧で作動する同形化合物を探索する目的で、Li2Ti3O7にCrを固溶させたLi-Cr-Ti系複合酸化物を合成し、評価を行った。得られた化合物Li(2-x/3)CrxTi(3-2x/3)O7(0≤x≤1.5)を正極活物質に用いたリチウム電池の充放電曲線において、リチウム基準で1.5V付近と4.0V付近にプラトーが見られた。親化合物のLi2Ti3O7は約1.5VのみにTi3+/Ti4+の酸化還元対に対応するプラトーを示すことから、4.0V付近の電位プラトーは固溶させたCrイオンの酸化還元反応に起因するものと考えられる。現在、Crの置換量、すなわちxの値の大きな同形化合物についても電極特性の評価を行っている。