抄録
Bi6Ti3Fe2O18単結晶を育成し、その磁気特性、強誘電特性、それらの相互作用による強誘電-磁気効果の構造異方性を検討した。Bi6Ti3Fe2O18は常磁性体であるが、極低温領域(∼15K)での磁化率-温度プロットから、a(b)軸方向には反強磁性的な相互作用が観察された。一方、c軸方向には観察されなかった。c軸方向では強誘電ヒステリシスループが認められ、強誘電特性を示した。またa(b)軸方向に磁場2500Oe印加すると、残留分極値が0.183μC/cm2から0.214μC/cm2へと増大し、強誘電-磁気効果が観察された。