抄録
本研究では, 非吸水性の多孔質軽量陶磁器の作製についての研究を行っている. 我々は, 微小中空体をフィラーとして陶磁器素地内に混合し, 従来の陶磁器の焼成条件を用いてこの多孔質陶磁器を得ることが出来た. この微小中空球体(平均粒径42∼50μm)については, 母材となる陶磁器の焼成温度1260℃よりも低温(約200℃)で焼失するもの, 同程度の温度(約1200℃)の軟化点を持つもの, 高温(約1400℃)の軟化点を持つものを用いた. 今回の発表では, 微小中空球体を混合することによって多孔質軽量陶磁器を作製するにあたり, 中空球体の焼失温度もしくは軟化点の違いが, 陶磁器内に形成される気孔に及ぼす影響について詳細に研究したので報告する.