抄録
アルミナの対称粒界と非対称粒界を得るために, 鏡面研磨した単結晶を2173Kの温度で接合させてアルミナバイクリスタルを作製した. それらの界面破壊靭性を片側Vノッチ入り引張り試験片を用いて測定した. 対称傾角粒界の破壊靭性は, 非対称傾角粒界の破壊靭性とほぼ同じ値となり, 傾角の増加に伴って下に凸の曲線を示した. 対称ねじれ粒界の破壊靭性は, ねじれ角の増加に伴って傾角粒界とは異なる下に凸の曲線上を変化した. 対称ねじれ粒界と非対称ねじれ粒界の間にも, 破壊靭性に大きな差は認められなかった.