抄録
当研究では, ガス還元窒化法がアルミナの多形転移と粒成長の抑制に対して有効であることに注目し, 市販のAl2O3ナノ粒子に本合成法を適用することにより, 特殊な反応装置及び前駆体を必要としない, 従来にない簡便なプロセスによるナノサイズAlN粒子の合成を試みた. 平均粒子径40nmのγ-Al2O3粒子を出発原料とし, NH3-0.5vol%C3H8系において1hの焼成を行った結果, 反応温度1300及び1400℃において, 各々50nm及び92nmの平均粒径を有するナノサイズAlN粒子が合成された. SEMによる高倍率観察により, 合成後の粉末が出発原料の粒子形骸を呈した, 30∼40nm前後の1次粒子から構成されることが確認された. Al2O3原料の粒子形態が極めて微小なレベルで生成物に反映される結果は, 本反応系による還元窒化の進展がトポタクティック反応であることを示唆するものと考えられる. 合成されたAlNナノ粒子は極めて高い焼結性を示し, コンベンショナルな焼成条件(1850℃-2h)により, 焼結助剤を用いることなく相対密度100%に到達する緻密化が達成されることが確認された.