抄録
キトサンオルガノシロキサン複合体の細胞適合性と生分解性に関して基礎的な検討を行った。ヒト骨芽細胞様細胞MG63を用いてMTTアッセイ, ALP活性および細胞形態を調べたところ,複合体はキトサンと比較して優位に高い値を示した。一方,リン酸バッファー溶液およびリゾチーム溶液を用いて生分解性評価を行ったところ,複合体はキトサンに比べて膨潤しにくく分解速度が低下することが分かった。以上のことから, GPSMとの複合化によりキトサンの細胞適合性が向上するだけでなく,生分解速度も制御可能であると期待される。