抄録
均一沈殿法により合成した単結晶アパタイトファイバーの加熱による微細構造の変化をXRD, FT-IR, SEMおよびTEMを用いて調べた。加熱前のアパタイトファイバーは歪みをもち、ファイバー表面に対して c 軸に平行に配列したドメインから構成されていたが、このファイバーを800℃から1200℃で1h加熱したとき、ドメイン構造は消失したが、歪みはそのまま存在していた。 1000℃および1200℃で加熱したアパタイトファイバーの場合、それらの微細構造は焼結中に変化して粒界と欠陥を形成した。また、1200℃で1h加熱したアパタイトファイバーは焼結中に炭酸基を放出して多くのボイドを含んでいた。