抄録
環境浄化と省エネルギー化の両立を図るために、排ガス中NOxの自立連続的な浄化を可能とする材料=システムの開発を進めた。電気化学セル方式による直接分解での課題であるセル作動時の消費電力の低減を図り、さらに排ガス廃熱からの熱電変換によるセル作動電力供給を可能とする、熱電セラミックスの開発等を行った。まず、NOx浄化用電気化学セルの低消費電力化のために触媒─電極層の構造制御を行い、酸素分子をNOx浄化反応場から除くことで、世界最高となる高電流効率を実現した。さらに空孔のナノサイズ化等による反応場の増大と分子選択性付与、及びパーコレーション制御によるセル内部抵抗の低減により、従来技術に対する優位性を示す低消費エネルギーレベルを達成した。また、熱電セラミックスの変換性能向上を図るために、特に変換効率の低いn型多結晶体で層状チタン酸塩へのキャリアドーピングや酸化亜鉛系の微細結晶粒組織化による低熱伝導化による変換性能向上に成功し、p型材料での高配向絹織化や、n型-p型の接合界面構造の最適化による発電出力の向上を達成した。