日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2003年年会講演予稿集
セッションID: 2I37
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放射光粉末回折によるランタンチタン酸塩 La0.68 (Ti0.95, Al0.05)O3 の斜方-正方相転移の研究
*八島 正知アリ ローション田中 雅彦森 丈晴
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抄録
200℃で通常の実験室系X線粉末回折装置で測定した回折プロファイルと、同じ温度で測定した高分解能粉末回折図形を比較した。通常の装置に比べて、放射光粉末回折データでは(1)半価幅が約 1/4 とかなり狭い、(2)Kα1とKα2のような分裂が無い、(3)非対称性が少ないという理由により、200と020反射の間の分裂をはっきりと捉えることができた。そのためプロファイルフィッティングにより得られたピーク位置の精度およびそれから得られる格子定数の精度も大幅に向上した。転移点付近も含めて温度の上昇と共に格子定数は連続的に、かつ可逆に変化することが初めてわかった。この相転移のオーダーパラメータηをη≡b/a-1と定義する。ηは温度の上昇と共に連続的に減少して転移点で0になった。ηの温度依存性に対してべき乗則を適用することにより、相転移温度を精密に349.3±0.6℃であると決定することに成功した。臨界指数は 0.75であると見積もられた。この値は典型的な二次相転移に対する値0.5より大きい。このことは軸率b/a が通常の二次相転移と比べてよりなだらかに変化していくことを示している。
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©  日本セラミックス協会 2003
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