抄録
これまで二酸化チタンの溶液合成法においては、原料に使われるチタン化合物のほとんどが水に馴染まないという理由から、有機溶媒や強酸・強アルカリなど毒性・腐食性溶液と一緒に使われてきた。そこで当研究グループでは、工業的・環境化学的観点から水に溶けるチタン化合物の開発を行ってきた。本講演では、チタンペルオキソクエン酸アンモニウムやチタン乳酸アンモニウムなど水溶性チタン化合物の合成と実際を述べると共に、これら水溶性チタン化合物を用いた中性の水溶液からの二酸化チタンの粉体及び薄膜の合成について詳述する。