抄録
電気泳動堆積(EPD)法は、溶媒中にセラミックス粒子を帯電・分散させ電場を印加することにより、セラミックス粒子を電極基板上に直接堆積させる固化成形法である。通例EPDプロセスでは、正極材料の溶出による汚染を防ぐため、粒子を正に帯電させ負極に堆積させるカソードデポジションが多く選択される。但し、高分散なサスペンションであっても粒子が全く堆積しないケースや堆積体の密度や均一性が低いことも多く、EPDプロセスに適したサスペンションの調製は必ずしも容易でない。本研究では、エタノール溶媒中におけるアルミナの分散性に及ぼすリン酸エステルの添加効果を検討し、調製条件の差異がEPD堆積挙動や成形体密度に及ぼす影響について系統的に検討した結果を報告する。