抄録
著者らは繊維状の気孔形成材をアルミナ坏土に添加し、押出成形によって気孔形成材のみを選択配向させ、これを燃焼除去することによって配向気孔を有する多孔質アルミナが作製できることを示した。坏土内の有機繊維の分散状態が得られる多孔体の微構造に大きく影響を与えることがわかった。そこで本研究では、適切な出発原料の選定と有機成形助剤の種類および添加量が坏土に及ぼす影響を調査した。アルミナ単味では、分散剤と結合剤にはポリガルボン酸塩とメチルセルロースが適していた。また、添加する繊維としてはナイロン66が適していることがわかった。得られた成形体は、試料表面のみでなく内部でも繊維が押出方向に配向していることがわかった。