抄録
Li添加により合成した直接窒化AlN粉末の焼結挙動を調査した.Li/Al比が0.5%となる割合でAl粉末とLi塩を乾式混合し,窒素ガス雰囲気で600℃1時間の熱処理することで単相のAlN粉末を得た.この粉末をアセトン中で0_から_4mass%となるY2O3と湿式混合し,CIP成型した.成型体を窒素雰囲気下,1500_から_1800℃で焼成した.得られた試料を種々の方法でキャラクタリゼーションした.各試料の主相はAlN相であった.焼成試料の密度は1600℃で急激に増加し,0.8mass%のY2O3添加試料で相対密度96%となった.この試料のLi2O量は0.7mass%であり,少ない助剤量での高密度化が達成できた.これは原料段階でのLi相の均質な存在が液相生成を容易にしたためと考えられる.