抄録
中国宋代に製造された木の葉天目茶碗は、幻の名品として現在に至り、これまで多くの陶芸家がその再現に挑戦してきた。そして、石黒宗麿を初めとして、幾人かの陶芸家がその作製に成功し、市販もされている。しかし、一般の陶芸愛好家にとっては誰にでも簡単にできるものではなく、まして工業的に確立された技術でもない。我々は、これまで木材を各種セラミックス化する研究を行ってきたが、これを木の葉天目に応用することを試みた。すなわち、葉脈化した木の葉にシリカ等を含浸し、それを天目釉にのせて焼成することにより、木の葉の模様を焼き付けるものである。さらに、種々の金属元素を用いて無機質化処理した木の葉を透明釉にのせることにより、彩色された木の葉模様による加飾も可能で、これらについて紹介する。