抄録
内部電極材に安価な卑金属Niを用いた積層セラミックコンデンサ(MLCC)の誘電体には,希土類元素を添加したチタン酸バリウムが多用されている.希土類元素にはHo,Y,Dyなどが有効とされるが,これらの効果や役割について必ずしも明確になっていない.そこで,チタン酸バリウムにおけるHoの固溶限界とその分布に関して調査した.Hoの固溶限界量は,イオン注入法をもちいてHoドープしたチタン酸バリウムを作製し,SIMSによるHoの拡散評価から算出し,格子中へのHoの固溶限界は数1000ppmと見積もった.また,バルク中のHo分布については,一次イオン垂直入射型の二次イオン質量分析計により評価し,Hoが粒内で不均一に分布していることを観測した.