抄録
スピントロニクスへの応用に向けて磁性材料、特にマグネタイト(四酸化三鉄)の薄膜成長に関する研究が活発に行われてきている。本研究では、以下の手法を用いて直接パターン化した酸化鉄薄膜を得る事に成功した。表面官能基をパターン化した有機シラン系自己組織膜を調製し、選択的にパラジウムイオンコロイドを吸着させた。この基板を硝酸鉄と還元剤を含む水溶液に浸すことで、パラジウム上での優先的な硝酸イオンの亜硝酸イオンへの還元反応を用いて、局所的に水酸化物イオンの濃度を上昇させることで、直接選択的に酸化鉄薄膜を析出させた。